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建て替え時の仮住まいの選択肢や注意点は?流れや費用を抑える方法も解説
家が古くなったり手狭になったりしたことで、家を建て替える人は多いのではないでしょうか?家を建て替えるときに、必要なのが「仮住まい」です。仮住まい探しは、意外と時間も労力もかかるもの。この記事では、仮住まいの探し方や注意点、費用を抑える方法などについて解説します。家の建て替えの予定がある方は、この記事を参考にして、仮住まいについて早めに検討しましょう。
仮住まいとは
仮住まいとは、建て替えやリフォームの際、工事が終了するまで、賃貸住宅などを借りて一時的に住むことです。したがって、工事が終了したら、また自分の家に引越します。それでは、仮住まいの期間と費用はどのくらいなのでしょうか?
仮住まいの期間・費用
まず、仮住まいの期間について解説します。建て替えの期間は約1年ですが、これは、建築会社を探し始めてから新居に入居するまでの期間です。仮住まいが必要なのは、建て替えの工事期間中のみです。つまり、仮住まいするのは、およそ半年ほどです。
次に、仮住まいの費用です。仮住まいの費用は、入居時に必要な費用だけでも家賃およそ半年分となることがほとんど。費用の内訳は、毎月の家賃、敷金・礼金、仲介手数料です。これに、引っ越し費用や住宅総合保険料、トランクルームの利用料金なども加わると、より高額になるでしょう。
短期入居のために、通常は礼金1ヶ月分のところを2ヶ月分にされるケースもあれば、家賃保証会社の利用が必須のケースもあります。仮住まいは想像以上にお金がかかるので、費用は多めに確保しておくと安心です。
建て替え・仮住まいの流れ
建て替え・仮住まいをスムーズに進めるためには、流れを把握しておく必要があります。建て替え・仮住まいの一連の流れを見てみましょう。
はじめに、建て替えを業者に相談し、正式に契約したら、仮住まい探しを進めていきます。工事開始まで2ヶ月を切る頃には、内見して物件を決定するのが理想です。このタイミングで、解体業者も決めておきましょう。
工事の2週間前になったら、仮住まいする家に引越し。仮住まいをしている間に、古い家がいよいよ新居に引っ越しです。
仮住まいの選択肢
仮住まいの選択肢には、賃貸住宅やUR賃貸住宅、ウィークリー・マンスリーマンション、ホテルなどがあります。それぞれのメリットやデメリット、注意点などをご紹介しますので、自分のニーズにマッチした仮住まいを探してみてください。
賃貸住宅
賃貸住宅のメリットは、物件数が多いので探しやすいことです。立地や広さなどの希望条件にマッチした物件も見つかりやすいのは、賃貸住宅ならではのメリットでしょう。
一方で、デメリットは、敷金・礼金や仲介手数料保証会社の利用など、初期費用がかかる上、手続きが面倒なことです。さらに、家電やインターネットなどを自分で用意する必要があります。
また、仮住まいは短期間しか入居しないため、契約を断られる可能性もあります。もし、仮住まいであることを隠して契約すると、退去時に違約金を請求される可能性があるので、注意してください。
UR賃貸住宅
UR都市機構の賃貸住宅は、礼金や仲介手数料が不要なのが特徴です。敷金はやや高いものの、初期費用を抑えられるのがメリットです。また、賃貸住宅のように基本的な契約期間がないので、数ヶ月で退去しても違約金が発生しません。ファミリー向けの物件も多いので、建て替え時の仮住まいには最適といえるでしょう。
ただし、UR賃貸は人気のため、空きが少ないです。空室が出ても、すぐに埋まってしまいます。UR賃貸住宅で仮住まいをしたい場合は、お近くのUR賃貸住宅で空き状況をこまめに問い合わせることをおすすめします。
ウィークリー・マンスリーマンション
ウィークリー・マンスリーマンションは、週単位・月単位で借りることができるため、仮住まいに最適です。賃料はやや割高になりますが、敷金や礼金、仲介手数料など初期費用の負担はかなり抑えられます。
基本的に家具・家電が備え付けなので、仮住まいのために家具や家電を購入する必要もありません。インターネット完備の物件や光熱費込みの物件も多数あります。
デメリットは、単身向けの物件が多いことです。コンパクトに作られているので、荷物をあまり持ちこめません。ウィークリー・マンスリーマンションは、少人数且つ短期間の利用には適していますが、ファミリー層にはあまり適していないでしょう。
ホテル
最後にご紹介するのは、ホテルです。ホテルは、宿泊料以外のお金はかからない上、立地条件も良いところが多いです。部屋の掃除をしてもらえるし、食事もホテル内のレストランやルームサービスなどを利用できて、利便性は抜群です。
とはいえ、ホテルに仮住まいだと、宿泊料は1日単位なので高額になります。キッチンもないので、食事は外食のみになるでしょう。短期間の仮住まい且つ夫婦のみならば、ホテルを選択肢に入れることもできますが、ファミリーでの長期滞在となると、ホテルはかなり厳しいです。
仮住まいの探し方
仮住まいの選択肢にはいくつかありますが、賃貸住宅を仮住まいとして選ぶ方がほとんど。仮住まいの場合は、一般的な賃貸住宅の探し方と若干異なります。そこで、仮住まいする賃貸住宅の探し方をご紹介します。
近所の不動産屋
まずは、近所の不動産屋さんです。なるべく家の近くで仮住まいの家を探したいという方におすすめしたいのが、近所の不動産屋さんです。こまめに足を運べば、インターネットには載っていない掘り出し物件が見つかる可能性もあります。
また、いい物件がないか相談してみると、親身になって物件を探してくれるケースもあります。ただし、中には、仮住まいというだけで嫌がる人もいるかもしれません。相談にのってもらえるかは、不動産屋さんとの相性次第といっても過言ではないでしょう。
仮住まい専門の不動産仲介会社
2つめは、仮住まい専門の不動産会社です。対応エリアは首都圏などに限られていることが多いですが、短期貸しのみの物件を取り扱っているので、普通の賃貸サイトよりも物件が見つかりやすいかもしれません。
仮住まい専門の物件といっても、敷金・礼金・仲介手数料は、一般的な賃貸住宅とさほど変わりません。時間的な余裕が少ない中対応してくれたり、引っ越し業者を手配してくれたり、仮住まい専門の会社ならではのサービスが魅力といえるでしょう。
工務店・ハウスメーカー
3つめは、工務店やハウスメーカーです。工務店やハウスメーカーは、不動産会社とつながりがあります。建て替えを依頼する業者に相談して、物件を融通してもらうのも1つの方法です。最小限の手間で、優良物件を紹介してもらえる可能性があります。
賃貸情報サイト・物件仲介WEBサービス
4つめは、賃貸情報サイト・物件仲介WEBサービスです。物件数が豊富なので、立地や家賃など希望条件にマッチした物件を探しやすいのが特徴です。比較検討しやすいのも、ネットならではの魅力です。
賃貸情報サイトの場合は、インターネットでお目当ての物件を見つけたら担当の不動産屋に連絡するという方法で、日中時間が取れない方におすすめです。
一方、物件仲介WEBサービスの場合は、WEBを介して賃貸オーナーと直接やり取りできます。オーナーと直接条件の交渉をしたい方に最適です。
仮住まいするときのポイント
仮住まいすることになったら、考えるべきことが2つあります。それは、物件を探し始めるタイミングと物件に求める条件です。
物件を探し始めるタイミング
工事開始日の2ヶ月前には、仮住まいする物件を探し始めましょう。ただし、あまり早く物件を決めてしまうと、その分家賃が発生してしまうので、注意してください。着工の1ヶ月前を目安に、賃貸契約などの手続きを済ませておくと安心です。
賃貸物件に求める条件
短期間しか住まないとはいえ、あまりに不便な立地だったり、部屋が狭すぎたりすると、ストレスも疲れも溜まる一方です。仮住まいする家で少しでも快適に暮らすには、賃貸物件に求める条件を明確にすることがポイントです。
広さにこだわる分、費用は若干高くても構わないケースもあれば、子どもが学校に通いやすい立地が第一というケースもあります。また、ペットと暮らしている方は、ペットと一緒に住めることが何よりの条件になる方も多いはず。
仮住まいは選択肢が少ないので、すべての希望条件を満たすことは到底無理です。仮住まい先に求める条件で、優先順位を決めておきましょう。妥協できる条件は妥協することも、重要です。
ただし、立地や広さは妥協しすぎると、ストレスになってしまうので注意してください。立地は、余りに駅から遠いところにしてしまうと、生活の不便さにストレスを感じることになるでしょう。子どもの学校からあまりに遠いのも、毎日の通学が大変です。
また、広さも、ある程度はほしいところです。家族がリラックスして過ごせるほどの広さは確保したいものですね。条件に優先順位を付けつつも、およそ半年間、できるだけ快適に過ごせる家を選びましょう。
建て替えで 仮住まいのQ&A
一般的な引越しの経験はあっても、建て替えをするのは今回が初めてという方が多いはず。インターネット回線やライフラインの手続きはどうすればいいのか、ペットも連れていけるんだろうかなど、気になった方もいるのではないでしょうか?そこで、仮住まいに関するQ&Aをまとめてみました。
プレハブで仮住まいしても問題ない?
仮住まいは、必ず賃貸物件を借りないといけないわけではありません。自宅の敷地内にプレハブを設置して、そこに仮住まいするという方法もあります。
メリットは、物件を探す手間が省けることやペットと一緒に暮らせることです。また、同じ敷地内なので、荷物の移動が簡単です。
ただし、プレハブを設置するには、建設基準法に基づく申請が必要となります。申請を怠ると、最悪の場合建て替え工事が中止になる可能性があるので、注意してください。
また、プレハブを使用する際は、レンタル代、設置・撤去費用などもかかります。場合によっては、賃貸住宅に仮住まいする方がコストが安くなることも多いです。さらに、プレハブ内は外の気温に影響されやすいため、暑さ・寒さ対策も必須です。
インターネット回線はどうなる?
インターネットは、もはや私たちの生活になくてはならないものです。仮住まい先でも、インターネットは必須だし、現在住んでいる家のインターネットをどうするかも、考えなければいけません。
仮住まい先の物件がインターネット完備の場合は、現在の回線をいったん解約するか、そのまま払い続けることになります。
また、仮住まい先の物件にインターネット回線が引かれていない場合は、移転するのも1つの方法です。移転する場合は、仮住まい先でのインターネット利用が可能か、工事が必要か、などの確認が必要です。
ペットはどうなる?
家にペットがいる場合は、早めに対策を考える必要があります。一般的に、仮住まいの家でペットOKのケースはほとんどありません。仮にペットOKでも、小型ペットのみOKというケースが多いです。
仮住まいの期間中は、ペットを知人やペットホテルに預けることも検討しておきましょう。ペットホテルは、安いところで1泊3,000~5,000円、高いところだと1泊10,000円以上することが多いです。
数ヶ月もペットホテルにペットを預けるとなると、かなり高額の費用になる上、ペットにも寂しい思いをさせてしまいます。ペットホテルは最終手段にして、まずはペットOKの物件を早めに探し始めましょう。
手続きが必要なものは?
仮住まいの際は、ライフラインなどの手続きが必要です。具体的には、電気・水道・ガスの停止手続き、固定電話の移設、郵便物の転送手続きやNHK受信料です。
ライフラインの手続きをしないと、使用していないのに基本料金を支払うことになってしまいます。引越し前に、停止手続きを必ず行いましょう。
固定電話の移設ですが、最近は固定電話を使わず、携帯電話のみで済ませる人も増えています。仮住まい先では固定電話は必要ないという方は、利用休止や一時中断がおすすめ。
ただし、利用休止の場合は、再度利用する際に電話番号が変わってしまうので、注意してください。一方、仮住まい先でも固定電話を利用したい方は、移設の手続きが必要です。電話に関する工事費などについては、契約している電話会社に確認してください。
郵便物は、郵便局窓口または郵便局のホームページで、転送の手続きが可能です。仮住まい先が近所の場合、建て替え工事中の自宅に仮ポストを設置して、そこに配達してもらうことも可能です。NHK受信料は、インターネットで住所変更の手続きをしましょう。
住民票はどうなる?
住民票は、基本的に引越ししてから2週間以内に転入の手続きが必要ですが、仮住まいが1年未満の場合は、手続きをしなくても問題ありません。万が一、仮住まいが1年以上になっても、生活の本拠地が同じであれば、手続きは不要です。
工期が延長になったらどうなる?
工期が何らかの理由で延長になった場合、仮住まいの期間も延長になるため、家賃もその分支払うことになります。
一般的に、工期の延長の原因が自然災害だったり、施主から工事中に変更の依頼があったりした場合は、施工業者の責任にはなりません。しかし、人手不足や施工ミスが理由であれば、施工業者が遅延の責任を負うことになります。その場合は、損害賠償を請求することも可能です。
とはいえ、最悪の事態はできるだけ避けたいもの。事前に、工期が遅延した場合の対応について業者と話し合っておくと、安心です。
仮住まいの費用を抑える方法
建て替えにかかる費用に比べると、仮住まいの費用は小さく感じやすいですが、普段の生活費のことを考えると、仮住まいの費用も決して安いものではありません。無駄な出費を防ぐためにも、計画的に予算を立てることが重要です。ここでは、仮住まいの費用を抑える方法を2つご紹介します。
お得な物件を探す
お得な物件とは、礼金・仲介手数料0円の物件や賃料の安い物件、インターネット料金込みの物件などです。街の不動産屋さんだと初期費用や賃料を交渉してもらえたり、また、工務店が仲介手数料が割引や無料の物件を紹介してもらえたりすることもあります。月々数千円や数万円でも、節約できるところは節約しましょう。
繁忙期の引っ越しを避ける
繁忙期の引越しは料金が割高になるため、おすすめしません。特に混み合うのが、2月下旬から4月下旬にかけてのシーズンです。可能ならば繁忙期を避けて引越しすることをおすすめします。
建て替えで仮住まいをするときの注意点
建て替えで仮住まいするときは、気を付けたいポイントが3つあります。仮住まいや新居に引越してから後悔することのないよう、ぜひご一読ください。
建て替えの2か月前には仮住まい探し
仮住まいの場合、住むのは短期間です。率直なところ、不動産オーナーにとって歓迎できないでしょう。仮住まい先がすぐに見つかるだろうと楽観的に考えていると、想定以上に時間が掛かり、結局条件の悪い物件に入居ということになりかねません。仮住まい探しは、早め早めにすることがポイントです。
仮住まいへ持ち込む荷物は厳選する
仮住まい先は新居よりも狭いことが多いため、あれもこれもと荷物を持ち込むと、すぐに部屋が狭くなってしまいます。持ちこむ荷物は、生活に必要なものを中心に最小限に抑えてください。
ピアノなどの楽器類やアウトドア関連のもの、オフシーズンの衣類など場所をとるものは、保管してくれる業者を探しましょう。引っ越し業者の中には、荷物の預かりサービスを実施しているところもあるので、問い合わせてみてください。
この先使わないものは処分する
仮住まいへの引越しを機に、この先使わないものは処分することをおすすめします。新居にシステムキッチンや大容量のクローゼットがあれば、食器棚やタンスは不要かもしれません。
現在家にあるものの1つひとつを新居で必要かどうかよく考えて、不要なものは断捨離をしましょう。不用品は、リサイクルショップなどに持ちこんでもよいし、粗大ごみとして出しても構いません。
仮住まいは探すのも手続きも大変!余裕あるスケジュールにしよう
仮住まい先探しは、余裕あるスケジュールを組むことが重要です。立地や広さなど譲れない条件は何かを考えたり、ライフラインの手続きをしたりと、やるべきことを1つずつこなしていきましょう。新居での新生活が始まるまでの半年間、仮住まいでストレスなく快適に過ごせるようにしてください。