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後悔しない土地探し。確認すべき7つのポイントを解説!

注文住宅を建てるには、まず土地を探すことから始まります。

土地探しにもコツが必要です。
必要なポイントを押さえておかないと「土地探しだけで時間がかかりすぎてしまい、希望する入居日に間に合わない・・・」という事態にもなりかねません。

今回は、土地探しで後悔しないために知っておきたいポイントについてまとめました。

土地探しを始める前に!4つの事前準備

土地探しを始める前に!4つの事前準備
土地探しは、下準備なしにいきなり始めてはいけません。

まずは次の4つについて確認しておきましょう。

①家族の理想の暮らし方について話し合う

「これから家族がどのような暮らしをしていきたいか」ということを明確にします。

いわば大まかな「将来設計」。
これから家をつくっていく中で、一本筋の通った柱=軸になる要素です。

  • 子どもの教育に力を入れたい
  • 舎の広い土地で家庭菜園をしたい
  • 緑の多い場所で暮らしたい
  • 気軽に都心へ出かけられる場所で暮らしたい
  • 実家とのつながりを大切にしたい

など、家族にとって譲れないポイントや優先順位について話し合いましょう。

②エリアを決める

①で決めた「譲れないポイント」をもとに、エリアを決めていきます。

  • 閑静な住宅街
  • 日当たりが良い場所
  • 交通の利便性

など、①で優先順位をしっかりと決めておけばおのずとエリアは絞られてくるでしょう。

③予算を決める

次に、土地と住宅購入費の予算を立てます。

「どれくらいの予算を見積もったら良いのか分からない」
という方は、住宅金融支援機構が発表している「フラット35利用者調査」のデータを参考にしてみてください。

これによると、2021年度の全国平均では

  • 建物の建設費:3,010.6万円
  • 土地取得費:1,444.9万円

となっており、全体予算のうち約1/3程を土地購入費に充てていることが分かります。

地域によっても差があるためあくまで参考程度の金額になりますが、大体の予算を決めてから土地探しをすれば効率的に動けるでしょう。

参考:住宅金融支援機構「2021年度フラット35利用者調査~土地付注文住宅融資利用者の主要指標~」(PDF)

④同時進行で施工会社を探す

エリアを決めた段階で、並行して家を施工する会社探しも進めておきましょう。

家の簡易的な設計とおおよその施工費の見積りを出してもらえば、土地探しの際に役に立つはずです。

また、エリアに特化した土地探しの有力情報を教えてもらえることもあります。

土地探しで押さえておきたい7つのポイント

土地探しで押さえておきたい7つのポイント
事前準備が整ったら、土地探しスタートです。

実際に土地をみる時には、次の7つのポイントをチェックします。

①周辺の確認
②建築制限
③土地の形と方角
④境界線の確認
⑤上下水道・ガスなどのライフライン
⑥高低差の有無
⑦災害リスクの確認

少々専門的な用語も出てきますが、家を建てる際の面積や階数、間取りにも関わってくる大事な要素なので、しっかり理解しておきましょう。

ポイント①:周辺環境の確認

住みやすさや交通の利便性など、土地の周辺環境を確認しましょう。

通勤・通学の利便性

子どもが通う学校や会社への通勤のしやすさについては、多くの人が気になるポイントではないでしょうか。

「子どもの通学は十数年程度のことなので、通勤のしやすさやその他の利便性を優先した」という意見もあります。

今後転職する可能性もあるでしょうし、様々な可能性についてよく検討してみましょう。

最寄り駅へのアクセス

通勤・通学などで電車を使う場合は、最寄り駅へのアクセスのしやすさは重要です。

バスを何本も乗り継がなければ駅に辿りつかない・・・となると暮らしにくさを感じてしまうこともあるでしょう。

商業施設

食料品や日用品を購入するスーパーやコンビニ、ホームセンターなどの買い物施設をチェックします。

特にスーパーでの買い物は頻度が高いことが想定されるので、仕事帰りに立ち寄れるなどストレスを感じにくい場所にあることが望ましいでしょう。

公共施設

何かと近くにあると便利なのが、病院や銀行、郵便局、役所などの公共施設です。

特に家づくりの際には、さまざまな手続きでこれらの施設に行くことも増えるので、アクセスについてはよく確認しておきましょう。

将来の住環境

場所によっては大規模な分譲地ができたり、再開発により商業施設が充実したりと、街自体が暮らしやすく変化していく可能性もあります。

エリアの将来性についても、可能な限り調べておくと選択の幅が広がります。

ポイント②:建築制限(用途地域・建ぺい率・容積率)の確認

建築基準法により、土地によって建てられる家の規模や形に制約が設けられています。

その基本となる

  • 用途地域
  • 建ぺい率
  • 容積率

などの用語について簡単に解説します。

「用途地域」とは

建てられる建物の種類や大きさが決められている土地のことを「用途地域」といいます。

都市計画法による区分で

  • 住宅系
  • 商業系
  • 工業系

の3つに分類されています。

この用途地域が定まっていないと、住宅地の近くに工場や商業施設などが乱立して日当たりや公害、騒音などのトラブルにつながり、環境が悪化する恐れがあります。

そういったトラブルを未然に防ぐために「都市計画法」を定めて、地域ごとに建てられる建物の種類を決めて環境を整備しているのです。

「建ぺい率」とは

建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合のことで

建ぺい率(%)=建築面積/敷地面積×100

という計算式で表されます。

地域によって定められている建ぺい率は異なり、住宅地(第一種、第二種低層住居専用地域など)では30%〜60%という範囲で制限されています。

建ぺい率には

  • 日当たりや風通しの確保
  • 防災(火災時の延焼を最小限にとどめる)

という目的があり、ゆとりをもった敷地の確保を促すために建築基準法で定められています。

「家を建てるならば、土地を余すことなく隅から隅まで活用したい」という方もいるかもしれませんが、この建ぺい率の制限により、土地の全てを建物に使用することはできないのです。
(緩和規定による例外もあります)

「容積率」とは

容積率とは、敷地面積に対する建物の延べ面積(延べ床面積)の割合のことで

容積率(%)=延べ床面積/敷地面積×100

という計算式で表されます。

「土地に対して何階建ての建物を建てられるか」を示した基準で

建ぺい率と同様に

  • 日当たりや風通しの確保
  • 防災(火災時の延焼を最小限にとどめる)

といった目的があります。

それに加えて

  • 景観を守る
  • 人口をコントロールして過密化を防ぐ

という効果を期待するものです。

容積率を定めないと何階建ての建物でも建設できてしまうので、大きな建物が密集する可能性があります。

その場合、自治体が想定する人口密度を超えてしまい、電力や上下水道などのインフラが追いつかなくなり住みづらい街になってしまう恐れがあります。

容積率を設けることで、景観や人口を意図的にコントロールして住みよい街づくりをしているのです。

その他の「建築制限」

「用途地域」「建ぺい率」「容積率」の他にも

  • 建物の高さ
  • 道路斜線制限
  • 隣地斜線制限
  • 接道義務(幅が4m以上の道路に2m以上面していること)

などの法律で定められた建築制限があります。

地域や場所によってもこの制限は異なってきますので、役所に問い合わせたり不動産会社や建築会社に相談したりして、よく確認しておきましょう。

ポイント③:土地の形と方角

南向きや東向きの土地は、日が良く当たるため人気があります。

土地の形がいびつな「不整形地」だと、家を建てられる範囲が限られてしまう可能性もあります。(「不整形地」については後述します)

これらの「土地の形」や「方角」についても、どこまでを優先させるか検討しておきましょう。

ポイント④:境界線の確認

土地の境界線については、曖昧なまま建設が進んでしまうと隣地とのトラブルに発展しかねません。

事前に、登記簿だけでなく確定測量図や現地の境界標でしっかりと確認しておくことが大切です。

ポイント⑤:上下水道、ガスなどのライフライン

生活を営む上で欠かせないライフラインについても、土地探しの段階で必ずチェックしておきましょう。

ガス

都市ガスなのか、LPガス(プロパンガス)なのかも、重要な確認事項です。

それぞれにメリット・デメリットはありますが、基本的に都市ガスよりもLPガスの方が料金が高い傾向にあります。

コスト面を踏まえて「このエリアに住むならば、オール電化にしよう」といった選択肢もうまれるかもしれません。

上下水道

宅地内に水道が整備されているのか、というのも事前に確認しておきましょう。
水道がない場合は、水道の引き込み工事の費用がかかります。

また地域によっては下水道がなく、浄化槽を設置しなければならない場合もあります。
浄化槽は数ヶ月ごとの点検などメンテナンスが必要となってくるため、維持管理のことまで考慮して検討するようにしましょう。

ポイント⑥:高低差の有無

高低差のある土地は、家を建てるために地盤改良や擁壁工事、盛土・切土工事などの造成工事が必要になることが考えられます。

当然コストもかかってきてしまうため、注意が必要です。

「地盤改良」とは

建物の安全性を保つために、地盤に人工的な改良を加えることです。

軟弱な地盤を除去して良質土に置き換えたり、杭や柱を打って地盤を強固にしたり、といった方法があります。

「擁壁工事」とは

高低差のある土地の斜面が崩れないように、鉄筋コンクリートやコンクリートブロックなどを用いて斜面を覆い、斜面を安定させるための工事です。

「盛土工事」「切土工事」とは

盛土工事はその名の通り、地表面を高くするために土を盛って整地する工事です。
切土工事は逆に、もともとある地盤を切り取って整地する工事のことをいいます。

ポイント⑦:災害リスクの確認

その地域で末永く安心して暮らしていくために、災害リスクに対する備えは欠かせません。

  • 津波、高潮
  • 河川の氾濫
  • 洪水
  • 浸水
  • 土砂崩れ

など「これらの災害が起こる可能性」や「想定される被害の規模」について、ハザードマップでしっかり確認しておきましょう。

土地の探しの3つの方法

土地の探しの3つの方法

土地を探す方法はどんなものがあるのでしょうか?

主に3つの方法についてご紹介します。

①ポータルサイトや情報誌で探す

一番手軽なのは、インターネットなどWEBサイトで探す方法です。

情報量も多く、家にいる時や通勤の合間など空いた時間を使って簡単に情報収集ができます。

ただし最新の情報がインターネット上に載っているとは限らない、という点に注意が必要です。
サイトの更新頻度によっては、既に売約済みである土地も掲載されてしまっている可能性があります。

希望に合った土地を見つけたら、できるだけ早く不動産会社に問い合わせるようにしましょう。

②現地に赴いて自分の足で探す

今住んでいるエリア内で土地を探す場合や、住みたいエリアが明確に決まっている場合は、実際に自分で街を歩いて探してみるのもひとつのやり方です。

足を運んだからといって、必ずしも良い土地に巡り合えるとは限らないので効率的なやり方とはいえませんが、周辺の環境を確認しながら探せるのは大きな利点です。

③不動産会社・工務店・ハウスメーカーに依頼

専門業者に依頼して土地探しをする方法です。

サイトに公開されていない土地情報をもっていることも多く、事前に希望するエリアについて相談しておけば優先して情報を受け取れる可能性が高いでしょう。

また「土地といえば不動産会社」という認識があるかもしれませんが、工務店やハウスメーカーでも注文住宅用の土地を取り扱っているところは数多くあります。

その場合は「建築条件付土地」である場合も多く注意が必要ですが、購入費用を抑えられる可能性もあるため、検討してみる価値は十分あるでしょう。

「建築条件付土地」とは

土地購入にあたって「その土地で家を建てる際に、必ず決まった施工会社と契約すること」という条件がついた土地のことです。

家を建てるまでの期間が定められていたり、家の仕様やプランなど大まかな内容が決まっていたりするので、思い通りの家を設計できる注文住宅とは大きく異なります。

そのため「建売住宅」に対し、売ってから家を建てる「売建(うりたて)住宅」とも呼ばれます。

さまざまな条件はつきますが、土地自体は割安になることが一般的なので予算を抑えたい方におすすめです。

土地探しが難航した場合の打開策

土地探しをしていても、条件に合う土地と巡り合えず難航する場合もあるでしょう。

そんな時は少し条件を変えてみましょう。

エリアを広げてみる

エリアを限定しすぎてしまうと、なかなか土地が見つからず苦労することも。

特に人気の高いエリアは、予算オーバーになってしまったりと希望条件から外れてしまうことも多いでしょう。

その場合、候補エリアを広げてみましょう。

「車で○○分までの範囲ならOK」など範囲を広げたり、候補地を2〜3個選んだりしておくと見つけやすくなります。

妥協点を見つける

土地探しに関して
「理想をすべて叶えられる場所を見つけることは不可能である」
ということを念頭においておくと、いざという時に決断しやすくなります。

絶対優先すべきところと妥協しても良いところを家族で話し合っておき、優先事項にマッチした土地が見つかったときにスムーズに決断できるよう、心づもりしておくことも重要です。

中古戸建や古家付きの土地も視野に入れる

土地探しでは整地ばかりに目が行きがちですが、空き家付きの土地も検討してみましょう。

条件によっては解体費を含んでも更地を購入するよりも安く済む場合もあるため、見逃せません。

不整形地や旗竿地も検討してみる

一見すると不利な条件にも思える「不整形地」や「旗竿地」も検討材料に入れてみましょう。

これらの土地は整形地に比べ低価格で販売されていることが多く、不動産評価も低いため固定資産税や都市計画税などの税率が抑えられるという特徴があります。

「不整形地」とは

崖地など高低差が2mを超えたり、勾配が30°を超えたり、いびつな形をしていたりする土地で、「きれいな四角形の形状をした土地(整形地)」以外の土地のことを不整形地といいます。

地盤改良などにコストがかかる可能性があります。

「旗竿地」とは

不整形地のひとつで、道路に接する路地部分が細長く、奥に有効宅地部分というまとまった敷地がある土地のことを旗竿地といいます。

周囲を建物に囲まれていることが多いので、日当たりや風通しに工夫がいるでしょう。

また、接道義務(建物の敷地が、幅が4m以上の道路に2m以上面していること)が守られているかどうかもしっかり確認しておきたいポイントです。

まとめ

家を建てる「土地」は、これから家族が永く住まう大切な場所。
土地探しは家づくりにおいて欠かすことのできない重要な行程です。

確認することが多く大変ではありますが、快適な生活を送るためにも土地探しにおける大切なポイントを理解し、家族にとって住みやすい土地を見つけましょう。

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