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子育て世帯がマンションから戸建てに住み替えるとき、マンションは売却する?貸し出す?
子どもの誕生を機に、これまで住んでいたマンションから戸建てに住み替えを検討し始めた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
「新婚時代に一目ぼれしてマンションを購入したけれど、子どもが生まれて住みにくく感じるようになった」
「将来もう一人子どもが増えることを想定すると、部屋数が足りない・・・」
子どもが生まれると、騒音が気になったり家の間取りに不便を感じるようになったり、それまでの夫婦2人の暮らし方から一変しますよね。
子育てする上で、マンションと戸建て住宅でそれぞれにメリットやデメリットがあります。
住み替えた後のマンションをどうするかについても悩ましい問題です。
今回は、マンションから戸建てに住み替える際に生じるメリット・デメリットや、マンションの売却・貸し出しなどについて解説します。
マンションから戸建てへの住み替えを考えるタイミング
子育て世帯が住み替えをする適切なタイミングとしては
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などが挙げられるのではないでしょうか。
国土交通省が公表している「住生活総合調査」によると、今後5年以内に住み替えを検討している世帯における目的は次のようになっています。
【今後5年以内の住み替えの意向がある世帯】
1 | 広さや部屋数 | 42.3% |
2 | 使いやすさの向上 | 31.9% |
3 | 新しさ・きれいさ | 27.4% |
4 | 性能の向上(断熱性・省エネ性など) | 22.7% |
5 | 通勤・通学の利便 | 20.3% |
6 | 高齢期の住みやすさ | 18.5% |
7 | 日常の買い物、医療などの利便 | 16.2% |
8 | 災害に対する安全性・治安 | 14.9% |
9 | 子育てのしやすさ | 14.6% |
10 | 家族との同居・隣居・近居 | 13.6% |
出典:平成 30 年 住生活総合調査(速報集計)結果 国土交通省住宅局(P68)
子育て世帯が、マンションから戸建てに住み替えるメリット
マンションから戸建て住宅に住み替えるメリットはさまざまありますが、特に“子育て世帯”が感じる利点は、主に次の5つが挙げられます。
①騒音・防音対策
②自由な間取り ③駐車スペースからの距離 ④庭 ⑤制約が少ない |
それぞれ解説していきます。
①騒音・防音対策
騒音や音漏れの心配が減るのは、子育て世帯にとっては大きなメリットですよね。
子どもが小さいうちは、泣き叫んだり走り回ったりと何かと賑やかです。
戸建て住宅に住み替えることで近隣との距離ができる分、音漏れの心配やストレスが減りるため、子どもをのびのびと育てることができます。
洗濯機や掃除機をかける音も気にする必要がないため、時間の使い方の自由度がアップするのも大きな利点です。
②自由な間取り設計
注文住宅の場合は、施主の要望を反映した間取りの家を建てることができます。
家族構成や生活スタイルに合わせて部屋数や収納スペースを設計できることは、日々の暮らしやすさにつながります。
③駐車スペースからの距離
家の玄関と駐車スペースとの距離が近くなるのも、戸建に住み替えるメリットのひとつです。
マンションの場合、住んでいる階数やマンションの規模にもよりますが、どうしても駐車スペースまでの移動距離が長くなってしまいます。
階段の上り下りやエレベーターを待つ時間も必要となるため、荷物を抱えながら小さな子どもを連れての移動はとても大変です。
その点、戸建て住宅の場合は玄関の目の前に駐車スペースをつくることが可能なので、車から降りた後スムーズに家に入ることができます。
④庭でガーデニングや水遊びなどが楽しめる
戸建て住宅の場合、敷地の広さによっては庭をつくることができます。
庭にプールを設置して水遊びをしたり、ブランコや滑り台などの遊具を置いたり。
小さなお子さんがいるご家庭は特に重宝するのではないでしょうか。
ウッドデッキをつくってバーベキューを楽しむのも良いですね。
庭いじりが趣味の場合は、庭でガーデニングを楽しむこともできるため、家族みんなのおうち時間が充実するでしょう。
⑤制約が少ない
マンションでは複数の世帯が同じ建物内で生活をしていることから、円滑なマンション管理のためにさまざまな制約(ルール)が設けられています。
マンションによって内容は異なりますが、ペットの飼育が不可であったり、ベランダの使い方のルールが決まっていたり、リフォーム・リノベーションの範囲が限られていたり。
戸建て住宅であれば、家の使い方は基本的に自由です。
子育て世帯がマンションから戸建てに住み替えるデメリット
子育て世帯に魅力的な戸建てへの住み替えですが、マンションから住み替えることで発生するデメリットについて、主に次の5つが考えられます。
①セキュリティ
②修繕費 ③ゴミ捨て ④交通の便 ⑤バリアフリー |
それぞれ解説していきます。
①セキュリティが弱くなる
戸建て住宅は、マンションに比べるとどうしてもセキュリティが弱くなりがちです。
マンションであればオートロックや防犯(監視)カメラが設置されていることが多いですが、戸建ての場合は自分で管理しなければいけません。
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これらの防犯対策を意識することが大切です。
②修繕費の積み立てや手配は自己責任
家のメンテナンスにかかる費用の積み立てや、業者の手配などすべて自分で行う必要があります。
マンションの場合は毎月一定額の修繕積立金が徴収され、外壁やエントランスなどの共用部分のメンテナンスに充てられます。
業者の手配や工事日程の調整などもマンションの管理組合が手配してくれますが、戸建て住宅の場合は自分でやらなくてはいけません。
③ゴミ捨てが不便になる
マンションでは、建物内(もしくは敷地内)に共同のゴミステーションがあり、曜日や時間帯を気にせずいつでもゴミが捨てられます。
(マンションによっては、曜日や時間が決められている場合もあります)
一方、戸建て住宅の場合のゴミ捨ては、自治体によりそれぞれルールは異なりますが、地域で指定された日時に指定された場所までゴミを持って行かなければいけません。
毎日捨てることができないため、自宅でゴミを保管しておく場所も必要となります。
④交通の便が悪くなる
マンションは、通勤・通学向けに駅の周辺に建てられる傾向があります。
一方、まとまった土地を必要とする戸建て住宅は、駅から離れた郊外に建てられることが多いため、マンションに比べ交通の便が悪くなる可能性があります。
⑤バリアフリー設計がしにくい
居住スペースがワンフロアで完結するマンションに比べ、2階建て以上の戸建て住宅では階段の上り下りがあるためバリアフリーの観点で劣ってしまいます。
最近では老後を見越して平屋を建てる若い世帯も増えていますが、同じ延べ床面積の2階建て住宅に比べると、平屋は基礎工事の面積が増えるため、建築費が高くなる傾向があります。
マンションから戸建てに住み替えるときの懸念事項
マンションから戸建てに住み替えるとき、頭を悩ますのが次に挙げる3つの点ではないでしょうか?
【懸念事項】
①住宅ローンが残っていても、住み替えは可能なのか? ②買い先行と売り先行、どちらが良いのか? ③マンションは売却と貸出、どちらが良いのか? |
ここからは、「マンションを売却した場合」と「マンションを貸し出した場合」を軸にこれらの懸念事項について解説します。
マンションを売却して戸建てに住み替える場合
賃貸にはせず、売却した方が良い人
次の条件に当てはまる場合は、賃貸よりも売却することをおすすめします。
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住宅ローンが残っている場合でも、住み替えることは可能です。
その場合、売却価格が残債を上回る「アンダーローン」か、売却しても残債が残る「オーバーローン」になるかによって、立てるべき資金計画の内容は異なってきます。
【アンダーローンの場合】
マンションの売却資金でマンションの住宅ローンを完済できることを「アンダーローン」といいます。
この場合は、問題なく戸建て住宅へ住み替えることができます。
【オーバーローンの場合】
マンションを売却しても、住宅ローンの残債が残ってしまうことを「オーバーローン」といいます。
残ったローンは自力で完済しなければなりません。
貯金から捻出することや親族からの援助が見込めない場合は、「住み替えローン」を組む方法もあります。
売却の際に気を付けたいポイント
マンションを売却する際には「売り先行」と「買い先行」それぞれのメリット・デメリットについて理解することが大切です。
また、同じマンションで別の部屋が売りに出されている場合は、希望する売却価格よりも下がってしまう恐れがある点も注意しましょう。
売り先行の場合のメリット・デメリット
売り先行とは、既存の住まい(マンション)を先に売却してから新居(戸建て住宅)を見つけるやり方です。
【売り先行のメリット】
資金源をあらかじめ確保できることが大きなメリットです。
売却に時間をかけることができるため、資金計画が立てやすいことも利点のひとつです。
【売り先行のデメリット】
マンションを売ってしまってから、戸建ての新居を見つけるまでの間は「仮住まい」で暮らすことになります。
引っ越しの手間や費用が2倍になってしまったり、敷金・礼金・仲介手数料などの仮住まいにまつわる諸費用がかかったりするため、新居が見つかるまでのコストについても見込んでおく必要があります。
買い先行の場合のメリット・デメリット
買い先行とは、新居(戸建て住宅)を購入してから既存の住まい(マンション)を売却するやり方です。
【買い先行のメリット】
売り先行のように仮住まいの必要がなく、既存の住まい(マンション)に住みながらじっくり時間をかけて新居を探すことができます。
【買い先行のデメリット】
売却に期限を設けている場合、期限間近まで売れ残った場合は慌てて売らなければならないこともあるため、売却価格が下がりやすくなってしまうこともあります。
また、既存の住まい(マンション)のローンが残っている場合はダブルローンになる可能性もあります。
ダブルローンとは
今住んでいる家のローンが残っている状態で、別途新居を購入し新たなローンを組むことです。 |
マンションを貸し出して戸建てに住み替える場合
売却せず、賃貸にした方が向いている人
次の条件に当てはまる場合は、マンションを売却するよりも貸し出して手元に残すことを検討してみましょう。
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賃貸にする際に気を付けたいポイント
所有するマンションを貸し出す場合、資金面や管理面で注意するポイントがいくつかあります。
【賃貸のメリット】
マンションを賃貸に出せば、毎月の家賃収入が得られます。
特に都心部や駅近など立地条件の良い物件の場合は、賃料も高い水準で貸し出すことが可能です。
【賃貸のデメリット】
住宅ローン控除を受けている場合は、賃貸に出すことで「事業用物件」となり控除が受けられなくなってしまいます。
また、マンションの住宅ローンが残っている場合は、一括返済になるか、不動産投資ローンへの借り換えを選択することになります。
不動産投資ローンは一般的な住宅ローンよりも金利が高いため、良く考慮する必要があります。
通常売却時に適用される「3,000万円の特別控除」も受けれなくなるため、資金計画は入念に行うようにしましょう。
その他にも、空室のリスクがあったり、入居者対応など管理が大変だったりと賃貸に出すことで手間がかかることも念頭に置く必要があります。
まとめ:自分たちに合った住み替え方法で、暮らしやすい家を手に入れよう
マンションと戸建てでは、それぞれ異なる「住みやすさ」があることについてご紹介しました。
ライフステージの変化に伴い、住みやすい家のカタチも変わっていきます。
住み替えを検討する際にはそれぞれのメリット・デメリットを理解し、将来のことを考えてよく検討することが大切です。
迷ってしまった場合は、不動産会社やファイナンシャルプランナーなど専門家のアドバイスを受けることも必要となるでしょう。
さまざまなパターンを想定して、後悔のない住み替えを叶えてくださいね。