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子育てしやすい家とは?子供がのびのび安心して過ごせる家づくりのポイント7選
子育て世帯にとって「育児のしやすさ」は、家づくりにおける優先順位の上位に入るのではないでしょうか?
子供には、居心地の良い家で、健やかに育ってほしいものですよね。
今回の記事では、子供がのびのび安心して過ごすために必要なポイントについてまとめました。
子供が巣立った後の間取りについても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください!
親にとって子育てしやすく、子供にとって過ごしやすい家とは?
子育てしやすく、子供も安心して過ごせる家の特徴3つを解説します。
特徴①:家族が集まって団らんできるスペースがある家
子供がのびのび育つためには、家族団らんのひとときがとても大切です。
会話やスキンシップなどによる親とのコミュニケーションは、子供の情緒を安定させたり、ストレスを軽減したりする効果があるといわれています。
家族が一緒に共有できる時間がある家は、子供にとって安心できる場所となります。
特徴②:動線の良く家事がしやすい家
子育てしやすい家は、家事がしやすい家であるといっても過言ではありません。
1997年以降、共働き世帯が専業主婦世帯の数を上回りました。
2022年には共働き世帯数は1,262万世帯に達しており、夫婦のいる世帯全体の約7割に上ります。
児童(18歳未満の子供)がいる世帯において「母親が就業している割合は75.7%」というデータからも、家事や仕事と両立しながら育児をしている家庭が多いことがわかります。
家づくりでは、水まわりを1ヵ所に集約させて動線を短くしたり、家事をしながら別の作業を同時進行できるなどの工夫をして、両立できる環境を整えることがポイントです。
<参照>
厚生労働省|第1章 子どもを産み育てやすい環境づくり P149
厚生労働省|I 世帯数と世帯人員の状況 P8
特徴③:子供の成長に合わせて変化できる家
子供の年齢によって、空間の使い方や必要となるスペースは変わってきます。
たとえば、乳幼児期には、おむつ交換やお昼寝のための畳スペースがあれば便利です。
就学する頃には、子供の一人部屋が必要でしょう。
畳スペースは、置き畳(システム畳やユニット畳ともいう)にして取り外せるようにすれば、使わなくなった後も、別の用途で空間を有効活用できます。
子供部屋は、子供が小さいうちは2部屋分の部屋を一間として使用し、必要な時期になったら間仕切り壁をつくって空間を分けるケースは多くあります。
最初から間取りを作り込まず、子供の成長に合わせて柔軟に対応できる工夫が大切です。
子育て世帯の間取りづくりのポイント7選
子育て世帯が、育児しやすい間取りを検討する際に、押さえておきたい7つのポイントをご紹介します。
ポイント①:リビングダイニングは広めに設計する
乳幼児期の子供は、常に親の目の届く範囲に一緒にいることになりますが、大半の時間を過ごす場所が「リビング」ではないでしょうか。
リビングやダイニングを広めに設計すれば、子供が遊んだり走り回ったりするスペースを確保できます。
ほかにも、広さに余裕があることで得られるメリットは「家族同士で程よい距離感を保てる」という点です。
子供の手がかからなくなった後も、リビングで親子がそれぞれ読書をしたりテレビを観たりするなど、家族の気配を感じつつもお互いに好きなことができる・・・そんな心地よい空間が実現します。
ポイント②:リビング学習できるカウンターを設置する
子供が小学生のうちは、リビングでの学習が最適です。
親子が同じ空間にいることで、お互いに安心感が得られます。
子供は、勉強でわからないところがあればすぐに親に質問できますし、親も家事の合間に宿題の丸付けをするなど、勉強の様子を確認できます。
ポイント③:片付けやすい収納の仕組みをつくる
「おかたづけ」は、幼少期から育みたい習慣のひとつです。
散乱しやすいおもちゃや絵本など、子供でも片付けやすい工夫をしてあげることで「もとにあった場所に戻す」という練習ができ、整理整頓のスキルが身に付きます。
親としても、子供が自発的に片付けをしてくれると嬉しいですよね。
子供の手が届く高さの収納棚にしたり、引き出しにイラストや写真でラベリングして「どこに片付けるのか」一目でわかるようにしたり・・・といった方法を取り入れてみましょう。
ポイント④:玄関には広めの収納や手洗い用の洗面台を設置する
玄関はなにかと散らかりがちです。
靴や傘だけでなく、外遊び用の遊具やアウトドアグッズなどをしまうための広い収納スペースがあれば重宝します。
また、玄関に洗面台を設置すれば、外から帰ってきてすぐに手を洗えるので、手洗いの習慣が身に付きやすくなるでしょう。
もちろん、感染症予防にも効果的です。
ポイント⑤:キッチンはリビング・ダイニングが見渡せるレイアウトに
家事の中で、最も時間を費やすのが「料理(食事の管理)」(※)だといわれています。
多くの時間を過ごすキッチンでは、作業をしながら子供の様子が確認できるレイアウトがよいでしょう。
家族とのコミュニケーションも取りやすくなりますし、子供にとっても「いつでも親の姿が見える」ことは安心材料になります。
※<参照>
統計局|1 家事に関する時間
国立社会保障・人口問題研究所|第 7 回全国家庭動向調査
ポイント⑥:子供の成長に合わせて間仕切れる設計にする
未就学児と就学児とでは、子供部屋の使い方も異なります。
小さな子供は、体を動かした遊びがメインになるため、幼少期の子供部屋は、二間(ふたま)を1室として利用するのがおすすめです。
滑り台やジャングルジム、ブランコなど、室内用の比較的大きな遊具を設置できます。
子供が成長して、それぞれ個室が必要になった際には、間仕切り壁を設けることで1人部屋として使えます。
新築で計画する際は、将来間仕切り壁を設置できるよう、壁や天井に下地を入れてもらうよう設計士に相談しましょう。
ポイント⑦:浴室や洗面所は親子で使えるよう広めに設計する
浴室や洗面所などの水まわりスペースは、親子で一緒に使えるよう、広めに設計しましょう。
洗面台は、カウンターを長めにとると、2人並んで身支度ができます。
浴室のサイズは1坪タイプ(1616サイズ)や1.25坪タイプ(1620サイズ)が採用されるケースが一般的です。
子供と一緒に入浴する場合「1.25坪タイプ(1620サイズ)」以上を選ぶと、洗い場が広くなり使い勝手がアップします。
広めの浴室は、介護が必要になった際にも役に立ちます。
子供が巣立った後の活用方法も考えておく
子育てにはいつか終わりがきます。
子供が独立し、家から巣立った後の活用法も検討しておきましょう。
バリアフリーにする
バリアフリー化された住宅は、小さい子供にとって安全なだけでなく、老後の暮らしにもやさしい設計です。
段差をできるだけ無くしたり、車いすも通れるように廊下を広めに取ったり。扉は開き戸よりも引き戸の方が、弱い力でも開け閉めしやすいので、老後の暮らしに向いています。
各部屋の段差がなければ、ロボット掃除機が使えるので、掃除もしやすくなります。
1階だけで生活できる間取りにする
老後の生活を考えて、1階だけで生活できる間取りがおすすめです。
2階建ての家であれば、子供部屋や主寝室などの各個室を2階にまとめ、それ以外の生活の基盤となるスペースは1階に割り振りましょう。
階段の上り下りを必要最低限に抑えられるので、子育て中はもちろん、老後も暮らしやすくなります。
洗濯物は、2階にあるバルコニーやベランダで干す手間を省けるよう、1階にランドリールーム(もしくはサンルーム)を設置すると便利です。
1階に多目的に使えるフリースペース(個室)を設けておけば、将来寝室として活用でき、平屋のような生活が実現します。
子供部屋を夫婦の趣味の部屋にする
子供部屋として使っていた部屋は、夫婦それぞれの趣味の部屋にしたり、子供や孫が帰省した際の客間として利用したりできます。
先述のように、2階に個室をまとめた場合は、収納部屋として活用する方法もあります。
まとめ
子供が過ごしやすい家の特徴や、そのポイントについてご紹介しました。
「子供が過ごしやすい家」は、突き詰めると「親が笑顔で子育てできる家」と言い換えられるのではないでしょうか。
家事や育児、仕事との両立はとても大変ですが、工夫次第で家事が時短できる家づくりを叶えられます。
家事の時短で余裕ができた時間を、お子さんと一緒に過ごすために使ってみませんか?