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おしゃれなリビングには「窓」選びが重要!開放感とプライバシーを守る工夫
部屋の印象を左右する「窓」。
窓にはさまざまな種類があり、窓ひとつでリビングの快適性が大きく変わるため、選び方はとても重要です。
そこで今回は、おしゃれなリビングのための窓の選び方についてご紹介します。
ついやりがちな失敗例についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください!
リビング窓の役割とは
リビングの窓選びで失敗しないためには、窓がリビングに与える影響や役割について理解しておくことが大切です。
ここでは、次の5つについて解説します。
①採光:部屋を明るくする
明るく開放的なリビングにするには、窓からの採光は欠かせません。
部屋の快適性は日当たりの良さに左右されます。
特に家族が集まるリビングでは、採光の良し悪しにこだわりたいところです。
ちなみに建築基準法では、居室において採光に有効な窓や開口部を、床面積の1/7以上設けることを定めています。
たとえば12畳のリビングであれば、約2.8㎡ほどの窓があればOK。
幅1.6m×高さ1.8mの掃き出し窓ひとつあれば足りる計算です。
②換気:部屋の空気を入れ換える
2003年7月以降に建てられた住宅には、建築基準法により24時間換気が義務付けられています。
そのため、わざわざ窓を開けて換気する必要がないように感じますが、窓を開けることでより効果的に部屋の中を換気できます。
短時間で空気を入れ換えられるため、感染症の予防としてもとても有効的な手段です。
③眺望:開放感のある部屋をつくる
リビングをより居心地の良い場所にするためには、室内から見える外の眺めも重要なポイントです。
ちょうどよい目線の位置にシンボルツリーがあったり、流れる雲が見えたり、こだわりのガーデニングを眺めて楽しんだり・・・。
リビングが狭い場合でも、大きめの窓を設置することで庭との一体感が生まれ、室内が広く感じられる効果もあります。
④動線:外部への出入口になる
掃き出し窓があれば、庭やバルコニーへの出入口として使用できます。
洗濯物を干すときや子どもの庭遊び、ガーデニングなどさまざまなシーンで活躍し、スムーズな動線を確保できるでしょう。
⑤デザイン:空間を彩る
後述しますが、窓のデザインにはさまざまなバリエーションがあります。
日本の住宅でよく見かける「引き違い窓」だけでなく、格子窓や滑り出し窓など、部屋のインテリアに応じて選ぶことで、ワンランク上の空間を演出できます。
リビングでありがちな「窓」の失敗例
リビング窓を選ぶ際、ついつい失敗しがちな3つの例について解説します。
①窓の割合が多すぎる
開放的で明るい空間にしたいからといって、窓を設置しすぎるのも問題です。
窓が大きい室内は、必然的に壁の面積が少なくなり、家具のレイアウトが難しくなります。
リビングにどのような家具をレイアウトするのかをあらかじめ検討したうえで、窓の位置や大きさ、デザインを考えましょう。
また、窓が多いとその分外部から侵入しやすくなるため、防犯面でのデメリットがあります。
②外からの視線が気になる
掃き出し窓などの大きな窓をつくるケースが多いリビングは、外部からの視線に注意が必要です。
適当な位置に窓を設置してしまうと、隣家の住人と目が合ってしまったり、道路から室内が丸見えになってしまったりという恐れもあります。
開放感のある部屋にしたいからと、せっかく大きな窓をつけても、視線が気になって日中でもカーテンが閉めっぱなし・・・なんてことになってはもったいないですよね。
周辺の環境に考慮して、窓の位置や大きさを検討しましょう。
③夏熱く、冬寒い
窓は家の中の熱が一番出入りしやすい箇所です。
夏の冷房時に外からの熱の約7割が窓から侵入し、冬の暖房時には室内の熱の約5~6割が窓から逃げていくといわれています。
しっかりとした断熱性能を有した窓でないと、部屋の冷暖房効果が下がってしまい、夏は熱く冬は寒いリビングになってしまうのです。
出典:(一社)日本建材・住宅設備産業協会 省エネルギー建材普及促進センター「省エネ建材で、快適な家、健康な家」より
リビング窓は「プライバシー」と「開放感」のバランスが重要
窓によっておしゃれなリビングにするには、プライバシーを守りつつ、開放感を演出することが大切です。
窓選びで重要な3つのアイデアをご紹介します。
LDKから見た視線の「抜け」をつくって開放感を演出する
リビングとダイニング、キッチンがつながった「LDK」の空間では、窓からの「抜け」を意識してみましょう。
ソファでくつろいでいるときやキッチンで作業をしているときなど、ふとした瞬間に外の景色が目に入るとリラックスできますよね。
あまり広さの取れないリビングでも、窓からの開放感によって部屋を広く感じられる効果もあります。
周りの環境を意識したレイアウトにする
家族がともに時間を過ごすリビングでは、周りの環境を意識して、他の部屋以上に窓の位置には気を配りたいものです。
下記の2つのポイントは最低限押さえておきましょう。
- 隣家の住人と視線が合わないよう窓の位置をずらす
- 土地の方角や日当たりに注意する(朝・昼・夜と時間を分けて確認すると安心)
実際に土地を見ないと分からないことも多くあります。
近くの建物が大きくて日陰になってしまうケースもあるので、窓選びはもちろん、家の間取りを検討する際にも上記のポイントは重要になります。
視線を避けるための窓の工夫を施す
立地条件などでどうしても窓からの視線が気になってしまう場合には、次のような対策もあります。
- 窓を熱線反射ガラス(ミラーガラス)にする
- 高窓にする
- 中庭をつくる
熱線反射ガラス(ミラーガラス)とは、太陽からの熱を反射させることで室温の上昇を抑えるガラスのことです。
ガラスの表面に特殊な金属膜をコーティングしているので、外部からみると鏡のように反射し、室内が見えないつくりになっています。(室内からは外部の様子が見えます)
他にも、高窓(天井に近い位置に設けた窓)にしたり、中庭をつくって完全に外からの視線を遮ったりといった方法があります。
リビングをおしゃれに!おすすめの窓の種類とその特徴
日本の住宅では「引き違い窓」が最も多く採用されています。
引き違い窓は、狭いスペースでも開閉しやすく採光や換気性に優れているため、日本の狭い住宅に適しています。
ただ、隙間ができやすく気密性に劣ったり、防犯性も低かったりといった難点も。
ここからは、よりリビングをおしゃれに、快適に過ごすためにおすすめな窓をご紹介します。
掃き出し窓
掃き出し窓とは、床から天井近くまである大きな引き違い窓のことです。
庭やバルコニーへの出入口として活用できます。
掃除機が普及する前、ほうきで部屋掃除をしていた頃に、ゴミや埃を庭に掃き出していたことから「掃き出し窓」と呼ばれるようになりました。
窓面積が大きいので、明るいリビングにしたい方や庭に出る頻度が多い方などにおすすめです。
腰窓
腰窓とは、その名の通り「人の腰の高さにある窓」のことです。
「腰高窓」とも呼ばれます。
床から80~90cmほどの高さに窓の下端(底辺)がくるので、外部への出入りに使うことはできません。
窓の下は壁になっているので、家具のレイアウトのバリエーションが広がります。
腰窓の下にソファを置けば、座りながら外を眺めるので、掃き出し窓とは違った楽しみ方ができますね。
最近では、リビングに掃き出し窓はつけず腰窓を採用する住宅も増えています。
庭に出る頻度が少ない方や部屋のレイアウトの幅を広げたい方におすすめです。
格子窓
格子窓とは、格子をはめ込んだ窓のことです。
※ここでいう格子窓は、面格子(住宅の窓の外側に設置する、防犯を目的とした格子)とは違います。
海外の窓でよく使用されているもので、装飾性が高いだけでなく、防犯性にも優れています。
海外風のおしゃれなリビングにしたい方、防犯性を高めたい方におすすめです。
滑り出し窓
滑り出し窓とは、窓を外側に回転させながら開閉する窓のことです。
横すべりと縦すべりの2種類があります。
ガラスが外に飛び出すかたちで開閉するので、雨に濡れやすいデメリットもあります。
気密性が高く、省スペースで設置できるため、廊下の突き当りや玄関などにも適しています。
リビングであれば高窓に採用したり、縦すべりタイプを2つ並べたりして空間に変化を与えてくれる存在です。
上げ下げ窓
上げ下げ窓とは、2枚のガラスを上下に動かして開閉する縦型スライド窓です。
「シングルハング(片上げ下げ)窓」と「ダブルハング(両上げ下げ)窓」があります。
欧米の住宅で多く採用されています。
デザイン性に優れており、気密性や防音性が高いのが特長です。
格子窓や滑り出し窓と同様、リビングのデザイン性を高めたい人におすすめです。
FIX窓
FIX窓は開閉できない窓のことで、別名「はめ殺し窓」とも呼ばれます。
大きな窓や特殊なサイズにも対応可能で、円形や三角形などの形状もつくれます。
そもそも開かないため防犯性が高く、構造がシンプルなのでコストを抑えられるメリットがあります。
換気はできませんが、光を多く取り入れたい場所などに向いている窓です。
まとめ:リビングでの過ごし方を想像して窓を選ぼう
リビングに限らず、窓を選ぶ際には「部屋で“誰が”“どのように”過ごすのか」を明確にすることが大切です。
スムーズな動線を重視したいのか、プライバシー確保を徹底したいのかによって、窓の形や性能、大きさなど選択肢が定まります。
引き違い窓だけでなく、さまざまなデザインの窓を組み合わせて、おしゃれで快適なリビングを実現させましょう。