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50代でも一戸建ての家は買える?メリットや注意点について解説
子育てが落ち着いてきて、自由な時間が増える50代。
定年退職を間近に控え、夫婦2人のこれからの人生を考えて家の購入を検討されている方もいるのではないでしょうか?
多くの人が30代でマイホームを購入するのに対し、50代で家を買うときにはリスクや心がけなければならないポイントが増えてきます。
今回の記事では、50代で一戸建てを購入する場合のメリットの他、資金計画や家のプランニングに関する注意点について解説します。
50代で家を買う人の割合
50代で初めマイホームを購入した人は、全体でどれくらいいるのでしょうか?
国土交通省では、住宅購入者の平均年齢や年代別の割合についてデータを公表しており、その中から50代の割合について下記の表にまとめました。
住宅の種類 | 全体に占める 50代の割合 |
住宅購入の 平均年齢 |
購入者が 最も多い年代 |
---|---|---|---|
新築注文住宅 | 10.6% | 43.8歳 | 30代(36.9%) |
建売住宅(分譲戸建) | 8.2% | 39.5歳 | 30代(45.6%) |
新築マンション | 12.2% | 44.8歳 | 30代(35.4%) |
中古戸建て住宅 | 19.3% | 45.8歳 | 30代(28.6%) |
中古マンション | 16.9% | 46.3歳 | 30代(28.2%) |
建て替え | 19.1% | 59.8歳 | 60代以上(56.2%) |
リフォーム住宅 | 23.7% | 60.2歳 | 60代以上(53.7%) |
出典:令和4年度住宅市場動向調査報告書|国土交通省 住宅局 P37
注文住宅や建売住宅、マンションなどの住宅を購入する世帯は30代が最も多く、50代が占める割合は20%に及びません。
一方、建て替えやリフォーム住宅の場合、60歳以上が占める割合が最も多く、次いで50代という結果になっています。
50代で一戸建て住宅を購入するメリット
上記のデータの通り、30代で一戸建て住宅を購入するケースが多くなっていますが、「50代で戸建て住宅を購入する」からこそ得られるメリットがあります。
ライフプランが立てやすく家づくりに反映させやすい
50代の多くの家庭では、子どもが巣立ち、夫婦2人での生活がメインになってきます。
もしくは、介護が必要な親との同居を控えている方もいるでしょう。
子育て中の若い世帯であれば、家の購入後に子どもが増える可能性もあり、部屋数が足りなくなってしまう懸念があります。
また、転職や転勤で職場環境が変わってしまった場合、家を購入した後だと通勤しにくくなる恐れも・・・。
それに比べ、50代であればライフスタイルがほぼ確定しており、将来的に大きな変化が少ないため、家の広さや間取り、立地など現在の生活に合わせた家づくりを進められます。
立地条件の選択肢が広がる
子育て中の働き盛りの世帯に比べ、50代はリタイア(退職)までの期間が短いです。
そのため、通勤条件に縛られない土地選びができます。
通勤に便利な都心部や駅近物件は、総じて土地代が高いもの。
同じ金額でも、郊外で探せば広い土地も購入しやすくなり、バリアフリーな平屋住宅にも手が届きやすくなるでしょう。
趣味や生活スタイルに合わせた家を建てられる
ペットを飼ったり、趣味に没頭したり・・・。
子育てがひと段落した50代は、夫婦それぞれが思い思いに過ごすための家づくりを叶えられます。
親の介護が必要な場合は、スロープや手すり、広い水回りスペースなど、介護しやすいバリアフリー住宅することで、将来自分たちが介護される側になっても長く安心して暮らせるでしょう。
夫婦2人であれば必要最低限のコンパクトな家にすることも可能なので、コストを抑えられるだけでなく、日々の掃除やメンテナンスも簡単になります。
50代が家を買うときに心配な「資金」の問題
50代で家の購入を計画する際、最も懸念されることは「お金」についてではないでしょうか?
実際、資金計画については若い世帯に比べて不利な条件が多いため、慎重に検討する必要があります。
住宅ローンが組みにくくなる
家の購入で多くの人が組むことになる「住宅ローン」は、完済時の年齢が決められています。
金融機関によって年齢設定は異なりますが、満80歳の誕生日(もしくは満80歳未満)までの完済を条件としているケースが一般的。
住宅ローンを組んだ年齢が高ければ高いほど、必然的に返済期間は短くなってしまう点に注意しましょう。
また、住宅ローンを申し込む際には、団体信用生命保険(団信)の加入を必須としているところが多いのですが、健康面に問題がある方は団信に入れない恐れがあります。
団信への加入が利用者の任意とされている「フラット35」ならば、審査に通る可能性があるため、健康状態に不安がある方は検討してみると良いでしょう。
【関連記事】
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老後を見据えた資金計画が重要
リタイア(退職)が目前に迫っている50代は、老後を見据えた資金計画が必須です。
「老後、どれくらいのお金が必要なのか分からない・・・」
そんな方のために、総務省統計局が公表しているデータを下記の表にまとめました。
【2022年度】家計収支(65歳以上の夫婦のみの無職世帯) | |
---|---|
1ヵ月あたりの平均消費支出 | 23万6,696円 |
可処分所得 (税金や社会保険料を除いた所得) |
21万4,426円 |
不足分(赤字) | 2万2,270円 |
出典:2022年(令和4年) 家計の概要 P17
所得に対し支出が多く、平均すると2万円以上の赤字が出ている状態です。
このデータを参考に、定年後の家計を想定し、無理のない返済計画を立てましょう。
50代に合った住まい選びの注意点
健康に対する心配ごとが増えてくる50代。
身体に極力負担をかけず、「健康寿命」を延ばせるような家づくりをしたいですよね。
ここからは、50代が家を選ぶ際に押さえておきたい2つのポイントについて解説します。
バリアフリーに特化した家を選ぶ
親の介護はもちろん、自分自身が年を重ねて身体の自由がききにくくなったときに暮らしやすいよう、バリアフリーに特化させた家づくりをしましょう。
押さえておきたいポイントは次の8つです。
- 廊下に十分な広さがあること
- 床の段差が極力少ないこと
- 廊下や階段、浴室に手すりがあること
- 出入口は、開き戸よりも開閉しやすい「引き戸」であること
- 居室や廊下、浴室の床材は滑りにくい素材であること
- 浴室やトイレなどの水回りスペースは、介護しやすいよう十分なスペースがあること
- 寝室からトイレまでのアクセスがスムーズであること
- 浴槽は、またぎやすい高さであること
「移動のしやすさ」「つまづきにくさ」を意識し、家庭内事故を防ぐことが大切。
加えて、介護者をサポートしやすいように「適度な広さの確保」も必要となります。
高齢者だけでなく、小さいお子さんやお腹の大きな妊婦さんにとっても、やさしく寄り添ってくれるのがバリアフリー住宅です。
娘さんが里帰り出産で戻ってきたときや、お孫さんが遊びに来たときにも、安心して過ごせる環境を整えてあげたいものですね。
断熱性の高い家を選ぶ
快適な住環境を整え、健康寿命を延ばすためには、住宅の性能も忘れてはいけないポイントです。
冬場の浴室で起こりやすい「ヒートショック」の予防のために、浴室や脱衣所と各居室の温度差をできるだけ小さくした家を選びましょう。
そのときに目安にしたいのが、断熱性能を示す「UA値」と呼ばれる数値です。
UA値(外皮平均熱貫流率)とは 外皮(屋根や壁、窓、床など)を通じて、住宅全体の熱がどれくらい逃げやすいかを表したもの |
UA値は地域によって基準が定められており、数値が小さいほど「断熱性能が高い」ことを示します。
高気密・高断熱の家は、省エネ効果が期待できるだけでなく、住まう人にとっての快適性を向上させる重要な要素です。
50代で家を買うからこそ、健康にかかわる住宅性能にこだわってみませんか?
まとめ:50代で家を買うリスクを理解して、健康にやさしい家づくりを
50代で家を買う場合、30代などの若い世帯に比べて資金面でのリスクが重くのしかかります。
一方、50代での家の購入はメリットも多く、資金の問題さえクリアできれば“理想の家”を手に入れやすくなるでしょう。
趣味など、自分たちライフスタイルを反映させ、想いをカタチにしたプランニングができるのも、50代の家づくりの醍醐味です。
ぜひ、今後の人生を豊かにし、健康的な暮らしを送れる素敵な家を手に入れてくださいね。